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2003 年度 実績報告書

ブタ劇症肝炎モデルの確立と人工肝補助療法による治療効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14657301
研究機関筑波大学

研究代表者

大島 宣雄  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)

研究分担者 谷口 英樹  横浜市立大学, 医学部, 教授 (70292555)
三好 浩稔  筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70292547)
キーワードバイオ人工肝臓 / ブタ / 劇症肝不全 / 充填層型バイオリアクタ / α-amanitine / lipopolisaccharide / 生存時間 / アンモニア
研究概要

研究代表者らはバイオ人工肝臓への応用を目的として、多孔質樹脂を細胞固定化用の担体とする充填層型リアクタを開発した。本年度はこのリアクタを用いて肝不全のブタへの体外灌流を行い、治療効果を透析を行った群と検討した。
[方法]培養体積1Lの充填層型リアクタを用いた。ブタから遊離した肝細胞100gを固定化し、このリアクタシステムを用いて灌流培養を行った。培地の酸素濃度とpHをそれぞれ40%と7.4に調節した。体重9〜12kgのブタの門脈内にα-amanitine(0.15mg/kg)とlipopolysaccharide(1μg/kg)を注入し、劇症肝不全モデルを作成した。薬剤注入後22hから8hの体外灌流を行い、hollow-fiber dialyzerを用いてブタの血液をリアクタの灌流液にて透析した。コントロールとして、肝細胞を含まないリアクターを用いて灌流を行った。
[結果]薬剤投与により、22h後の血中AST値は10000IU/L以上となり、劇症肝不全の病態を示した。血中アンモニア濃度は急激に上昇し、22hの時点で305μg/dLとなったが、肝機能補助群では灌流開始後減少に転じ、8hの灌流終了時点では225μg/dLであった。しかし、灌流停止後には再び上昇した。一方、肝細胞を含まない装置に灌流した群では灌流開始直後に希釈による一過性のアンモニア濃度の低下を認めたものの、その後は再び上昇した。対外灌流を行わないブタは薬剤の投与後平均44時間で死亡したのに対し、肝細胞を含まない装置に灌流したコントロール群では38時間に短縮し、治療群において51時間と延長傾向を認め、8時間の肝機能補助でも生存時間の延長効果があることが示された。さらに、22h以降、継続して人工肝臓への灌流を行う事により、最長73hの生存時間を記録した。
[結語]充填層型バイオ人工肝臓の肝機能補助効果がin vivoの灌流実験によって実証された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kanamori, T, Yanagi, K et al.: "System design of a bioartificial liver with a high performance hemodialyzer as an immunoisolator using a mathematical kinetic model"Int J Artif Organs. 26(4). 308-318 (2003)

  • [文献書誌] Kosaka, R, Yanagi, K et al.: "Operating point control system for a continuous flow artificial heart : in vitro study"ASAIO J. 49(3). 259-264 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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