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2004 年度 実績報告書

直腸癌におけるセンチネルリンパ節検索とそのコンセプトに基づいた手術の妥当性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14657312
研究機関東邦大学

研究代表者

寺本 龍生  東邦大学, 医学部, 教授 (00146713)

研究分担者 船橋 公彦  東邦大学, 医学部, 講師 (90297698)
三木 敏嗣  東邦大学, 医学部, 助手 (30307756)
キーワードセンチネルリンパ節 / 直腸癌 / navigation surgery
研究概要

背景)直腸癌の局所再発は、患者のQOLと予後に大きな影響を与える大きな問題である。この原因として骨盤内に取り残したリンパ節が考えられるが、複雑なリンパ流をもつ直腸においては各腫瘍に適したリンパ節を過不足なく郭清することは困難である。本研究の目的としてトレーサー:99mTc-tin colloid(99mTc)を使用した直腸癌におけるセンチネルリンパ節(SLN)の同定の可能性とその臨床的意義について明らかにするとした。方法)進行直腸癌に対して99mTcを経肛門に腫瘍周辺に局注した。手術中にガンマプローブを使用してSLNを同定しながら、腫瘍のドレナージリンパ節mappingを行った。成績)1)適格例の検討:進行直腸癌25例に対して99mTcによるSLN同定を行った。その結果、腫瘍部位Rs-Rb、腫瘍因子として2/3周以下、深達度A1以上、高分化型腺癌型でそれぞれ100%の同定率が得られた。2)臨床検討:下部進行直腸癌40例(mp:9例a1:11例a2:20例)を対象にTMEによる腫瘍摘出を行った後、骨盤内リンパ節に対してHNを検索しながらリンパ節の郭清を行い、HNを指標とした転移リンパ節について検討した。成績は、1例を除いた39例に平均5.6個のSLNが同定された。39例のうち22例(56%)が直腸間膜のみに、17例(44%)が直腸間膜および骨盤内リンパ節にHNを認め、骨盤内に同定されたHNは平均2.9個であった。リンパ節転移はHE染色で54%(21/39)に認められ、うち骨盤内リンパ節に転移を認めたのは5例(13%)であった。5例のうち4例は骨盤内リンパ節にHNが認められた症例であり、1例は#216に転移を認めたがHNとしては同定不能であった。同定を左右する腫瘍の因子として、リンパ節の大きさ(正診例で4.6mm vs偽陰性例で5.7mm)に差はなかったが、腫瘍細胞によって内部構造が破壊されたリンパ節をHNとして同定するには限界があった。
結語)進行直腸癌に対するSLNの同定は可能と考えられた。SLNとして大きさ5mm程度の小さなリンパ節の同定も可能と考えられたが、massiveな転移をきたしたSLNの同定には限界があるものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2002

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 直腸癌に対する個別化治療に向けたセンチネルリンパ節同定の臨床学的意義とその間題点2005

    • 著者名/発表者名
      船橋公彦
    • 雑誌名

      癌と化学療法 32・2

      ページ: 269-273

  • [図書] Sentinel Node Navigation - 癌治療への新しい展開-2002

    • 著者名/発表者名
      船橋公彦, 寺本龍生(分担)
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      金原出版株式会社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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