研究分担者 |
佐伯 直勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30143275)
小林 英一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10225493)
内野 福生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80323400)
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30260251)
山浦 晶 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40009717)
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研究概要 |
SEREX(Serological identification of antigen by recombinant cDNA expression cloning)法は疾患特異的血中抗体のスクリーニング法で腫瘍や自己免疫疾患の疾患マーカー検索において有用性が報告されている。同怯を脳血管疾患に応用し、発症前診断・ハイリスク患者のスクリーニングのための血液学的マーカーの検索を行った。 【方法】千葉大学脳神経外科および関連病院の受診した、くも膜下出血または未破裂脳動脈瘤患者、頸部内頸動脈狭窄による脳梗塞患者を対象に、インフォームド・コンセントを得て採血を行った。ヒト臍帯静脈内皮細胞由来cDNAライブラリーを組み込んだλZAPIIファージを、大腸菌に感染させ内皮細胞由来タンパク質を発現させた。タンパク質をニトロセルロース膜に転写後、上述の脳動脈瘤および脳梗塞患者血清に反応する陽性プラークを同定した。塩基配列を決定し抗原タンパク質を同定した。 【結果】20例の脳動脈瘤患者血清のスクリーニングで107種、4例の頸動脈狭窄病変患者血清のスクリーニングで24種のクローンを抗原タンパク質候補として同定した。同定されたタンパク質の機能分類の内訳は、脳動脈瘤患者血清では細胞接着関連13%、転写・翻訳関連7%、細胞骨格、酵素、小胞輸送、、細胞外マトリックス関連がそれぞれ4%だった。一方頸部内頸動脈狭窄患者血清と反応したクローンは増殖因子、核酸修飾がそれぞれ8%、酵素4%であり、動脈瘤患者より得られたクローンと傾向の違いを認めた。また脳動脈瘤患者より得られたクローンのうちSPARC(Secreted protein, acidic, cysteine-rich),LGALS9(lectin, galactoside-binding, soluble,9)はSAGE法によって脳動脈瘤壁で発現が上昇している遺伝子として同定されたものと同一であった。
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