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2002 年度 実績報告書

熱感受性リポソームを用いた新しいDrug delivery systemの確立

研究課題

研究課題/領域番号 14657337
研究機関新潟大学

研究代表者

田中 隆一  新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)

研究分担者 森 宏  新潟大学, 脳研究所, 講師 (70291359)
高橋 英明  新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (70236305)
キーワード悪性脳腫瘍 / 局所加温 / 熱感受性リポソーム / ターゲッティング温熱化学療法
研究概要

我々はこれまでに悪性脳腫瘍に対する独自の局所加温法と熱感受性リポソームを用いた温熱化学療法を実験的に展開してきた。我々の加温法では、腫瘍中心部を温熱による抗腫瘍効果のある43℃以上に加温を行った場合、腫瘍浸潤領域はほぼ40℃以上の領域に包括されることが分かっている。これを利用して現在では相転位温度を40℃に設定したリポソームを新たに開発し、腫瘍中心部だけでなく、腫瘍浸潤領域をも薬剤の標的としたターゲッティング温熱化学療法の研究に取り組んでいる。本療法をより効果的に臨床応用する為に、実際の薬剤分布がどのようになっているかを共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)を用いて細胞レベルでの検討を行った。
方法:C6移植ウィースターラットモデルに局所加温を行い、アドリアマイシン(ADR)封入リポソームを尾静脈から投与した。治療24時間後に脳を摘出し凍結切片を作成した。CLSMにてADRの集積を観察し、calibration lineより定量化した。ADRはそれ自体が蛍光色素の性質をもっている為、蛍光顕微鏡にて直接観察し得た。
結果:40℃以上の領域で、40℃以下の領域に比べて有為に高いADRの集積を認めた。また、その集積はADRが抗腫瘍効果を発揮する細胞核にそのほとんどが集中していた。これらの結果から本療法が計画通りの薬剤のターゲッティングを達成していることが分かり、脳腫瘍浸潤領域をも標的とする新しい治療法として期待できることが確かめられた。また、同時に薬剤の投与方法(動注やOmmaya's reservoirからの局注)、リポソームに封入する内容物についても検討しており、今後、臨床応用をすすめて行く考えである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 田中 隆一: "VII.温熱療法 悪性グリオーマの温熱療法"脳神経外科 Advanced Practice 5、神経膠腫. 136-141 (2002)

  • [文献書誌] 田中 隆一: "脳腫瘍の温熱療法:悪性グリオーマのRF組織内加温法"集学的癌治療の研究と臨床. 305-313 (2002)

  • [文献書誌] K.Morita: "Combination therapy of rat brain tumors using localized interstitial hyperthermia and intra-arterial chemotherapy"Int J Hyperthermia. (in press). (2003)

  • [文献書誌] H.Takahashi: "Successful Treatments of Malignant Glioma in the Elderly by Radiofrequency Interstitial Hyperthermia : A Report of Two Cases"Jpn J Hyperthermic Oncol. 18・3. 157-164 (2002)

  • [文献書誌] 高橋 英明: "第7章.温熱療法 RF組織内温熱療法"先端医療シリーズ18、脳腫瘍の最新医療. 232-238 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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