研究課題/領域番号 |
14657338
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (00183715)
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研究分担者 |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
桑野 良三 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (20111734)
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キーワード | 脳原発リンパ腫 / 免疫グロブリン遺伝子 / in situ hybridization |
研究概要 |
脳原発悪性リンパ腫の解析をするにあたって、治療後の経過からも、明らかに転移性でないと判断できる症例のみを検索の対象とした.今年度の研究では、腫瘍細胞特異的塩基配列の確認方法の確立に重点をおいた. 手術により摘出された6例の凍結脳腫瘍組織からtotal RNAを抽出の後、Northern Blot解析をおこなった.全例でIgMの発現を確認したことから、FR2AもしくはVH-leader sense primerとCmu antisense primerを用いたRT-PCRをおこなうことにより、部分IgH-VHと全長IgH-VHを増幅した.その上で、それぞれの塩基配列10ないし20クローンを症例間で比較することにより症例特異性の高い、即ち腫瘍細胞由来と考えられるCDR3領域をひとまず決定した. しかし、RT-PCRから得られたクローンの結果のみの判定では、擬陽性となるクローン混入の可能性が排除できないと考え、症例特異性の高いと判断したクローンをprobeとしたin situ hybridization(ISH)で凍結切片上の分布を検討した.そして腫瘍細胞と考えられる大部分の細胞での実際の発現を確認することにより、最終的に腫瘍細胞特異的なIgH鎖遺伝子再構成の塩基配列と決定した. 組織レベルでの再確認は煩雑ではあるが、病理形態学的な視点を追加することにより、反応性に存在するB細胞由来のクローンの混入の可能性を完全に排除できる点で、極めて有用性が高いと考えられた.
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