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2003 年度 実績報告書

正常ヒト神経幹細胞由来神経細胞における、低酸素状態下での遺伝子制御システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 14657352
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

金村 米博  独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究員 (80344175)

研究分担者 原 正之  大阪府立大学, 先端科学研究所・応用生体科学部門人工生体組織研究分野, 教授 (50344172)
中村 徳幸  独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究チーム長 (20198229)
三宅 正人  独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究チーム長 (60344173)
田村 和義  兵庫医科大学, 脳神経外科, 講師 (40340971)
有田 憲生  兵庫医科大学, 脳神経外科, 教授 (80159508)
キーワードヒト神経幹細胞 / 低酸素ストレス / 乳酸脱水素酵素 / ピルビン酸脱水素酵素
研究概要

1.ヒトneurosphere内部の細胞状態の評価
最大径500μm程度の浮遊細胞凝集塊(neurosphere)を形成して増殖するヒト神経幹細胞のneurosphere内部の細胞状態の評価を行った。細胞の低酸素状態をPimonidazoleを用いて評価した解析では、neurosphere中心部にはPimonidazole陽性細胞が多く見られ、これら細胞は低酸素状態にあると考えられた。分裂細胞の分布をBrdU取り込みで評価した結果、BrdU陽性細胞は凝集塊表面から低酸素状態にある凝集塊内部までほぼ均一に分布し存在していた。
2.低酸素ストレスのヒト神経幹細胞の増殖速度へ及ぼす影響の検討
高酸素(20%)と低酸素(5%)の状態でヒト神経幹細胞の細胞増殖を検討した結果、細胞増殖に大きな違いは無かった。
3.マウス神経幹細胞とヒト神経幹細胞とでのLDH、PDHの発現検討
マウス神経幹細胞とヒト神経幹細胞での遺伝子発現の比較を行った。その中でも特にエネルギー代謝系に重点を置き、嫌気的ATP合成に関与するLDH(乳酸脱水素酵素)とTCAサイクルでの好気的APT合成に関与するPDH(ピルビン酸脱水素酵素)の発現を比較した。その結果、ヒト神経幹細胞ではマウス神経幹細胞よりLDHの活性が高く、逆にマウス神経幹細胞で観察されるPDHの発現が殆ど見られなかった。
以上の結果から、ヒト神経幹細胞は低酸素状態にあるneurosphere中心部においても分裂・増殖することが可能であり、低酸素ストレスに耐性を有することが示唆された。そのメカニズムとしては、マウス細胞と比較して嫌気的ATP合成が有意な状態にあり、低酸素ストレス下でもエネルギー合成が効率よく行えるためと考えられた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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