研究課題/領域番号 |
14657355
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉永 勝訓 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (30270870)
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研究分担者 |
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (20344997)
山崎 正志 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (50281712)
村上 正純 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50219903)
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キーワード | 脊髄損傷 / 細胞移植 / 造血管細胞 |
研究概要 |
対象には雌性C57BI/6Jマウス8週齢を用い、ハロセン麻酔下に第7,8胸椎椎弓切除し、硬膜外より脊髄に20g、5分間の重錘圧迫を加えて不全脊髄損傷モデルを作成した。雄性ROSA26マウスの大腿骨から採取したLacZ陽性の骨髄細胞に対して、ソーティングをおこない、c-Kit陽性、Sca-1陽性、Lin陰性の造血幹細胞分画を純化した。損傷後1週の脊髄損傷部に造血幹細胞分画3μl (3×10^4細胞)を直接注入した群を移植群とし、PBSのみを3μl注入した群を対照群とした。後肢運動機能の改善は、受傷後3日、1週、移植後3日、1〜5週(1週ごと)に盲目的に採点した。組織学的評価のため、移植群、対照群ともに移植後5週の時点で4%パラフォルムアルデヒドを用いて潅流固定をおこない、損傷部脊髄組織の連続切片を作成した。Y染色体FISH (fluorescent in situ hybridization)にてY染色体陽性の移植幹細胞の生着を確認した。また、抗LacZ抗体と各種神経系マーカーとの免疫二重染色を行い、移植した造血幹細胞の分化の有無を評価した。 以上の結果、後肢運動機能評価については、移植群では対照群に比して損傷後3週より有意な改善を認めた。この改善は移植後5週まで続き、移植後5週時点での移植群の平均スコアは4.2点であったのに対し、対照群の平均スコアは2.9点であった。 Y染色体FISHにて、移植後5週の脊髄において、Y染色体陽性の移植細胞の生着が確認され、移植細胞の大半は脊髄白質に存在していた。また、抗LacZ抗体と神経系マーカーとの免疫二重染色の結果、移植細胞の一部が神経前駆細胞、オリゴデンドロサイト、アストロサイトのマーカー陽性細胞に分化していた。
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