研究課題/領域番号 |
14657368
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安井 夏生 徳島大学, 医学部, 教授 (00157984)
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研究分担者 |
二川 健 徳島大学, 医学部, 助手 (20263824)
岸 恭一 徳島大学, 医学部, 教授 (80035435)
西良 浩一 徳島大学, 医学部, 講師 (10304528)
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キーワード | 無重力 / 筋萎縮 / 骨萎縮 / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
本年度は、宇宙フライトラットの骨格筋をDNAマイクロアレイで解析し19倍に増加を認めたosteoactivin遺伝子について検討を行った。Osteoactivinはアミノ酸配列から一回膜貫通型の糖蛋白質であることが分かっている。その組織分布をノザンブロット解析で見ると肺、脾臓そしてosteoという名前のとおり骨に強く発現し、次いで胸腺、肝臓、小腸にも発現する。骨格筋にも発現を認めるがその量は微量であった。しかし、宇宙フライトにより骨格筋での発現は19倍に増大しており、RT-PCR法でも同様の結果であった。また、微小重力モデルである尾部懸垂ラットでは発現の変化は確認されなかったが、顕著な萎縮を示す不動性筋萎縮のモデルである坐骨神経切除ラットの骨格筋では処置を行った当初より増加し徐々に低下する傾向を示した。 Osteoactivinの生理機能はほとんど解明されていない。そこで、wild typeとその細胞内ドメインを欠損したosteoactivinの二種類のトランスジェニックマウスを作製し、osteoactivinの遺伝子がどのように筋肉・骨の萎縮と関連しているかを解析している段階である。 申請者のグループは機械的ストレスの感知機構や無重力による筋・骨萎縮の研究を宇宙実験(STS-90)や地上実験で行ってきた。この経験を生かし2回目の宇宙実験(STS-107)を行う予定であったが、平成15年2月1日帰還予定の米国航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「コロンビア号」が事故に遭い宇宙サンプル(ラットの骨・骨格筋)の入手が不可能となった。そのため宇宙フライトにより萎縮した骨を用いた骨萎縮に関連する遺伝子群をDNAマイクロアレイ解析するという当初の計画は延期せざるを得ない状況となった。しかし、現在、宇宙開発事業団(NASDA)を通して前回のフライトの余剰サンプルが手に入らないか交渉中である。
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