研究分担者 |
榎本 寛 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90284679)
熊谷 謙治 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (00315235)
進藤 裕幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30107677)
山口 朗 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00142430)
岡野 邦彦 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (70325645)
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研究概要 |
骨軟骨組織を視野に入れた再生医学の発展のためには、ヒト未分化細胞の分化誘導機構を明らかにする必要がある。そのためには外来遺伝子導入が極めて困難な骨髄由来の間葉系幹細胞に対し、遺伝子導入が容易でかつ骨、軟骨、脂肪、筋肉等への多分化能を有するヒト由来の未分化細胞株が切望される。我々は以前、当教室で摘出した過誤腫から分離した培養細胞が、骨や軟骨、脂肪、筋肉細胞に分化誘導でき、かつリポフェクタミン法で簡便に遺伝子導入が可能であることを確認した。しかし30回以上の長期継代では、徐々に分化能とともに増殖能も低下した。そこで細胞株の樹立を目指し、simian virus由来のプロトオンコジーンであるSV40 Large-T antigenの遺伝子導入実験を開始した。そして現在まで数種の樹立株を得ると同時に、その機能解析、特に脂肪、骨、軟骨細胞譜系への分化能について,in vivo, in vitroの系で検討してきた。その結果、少なくとも2種の細胞株で、BMP-2やデキサメサゾンの存在下に骨芽細胞に、TGF-betaで軟骨に、PPAR-gammaで脂肪細胞にin vitro条件下に分化誘導可能であることが分かった。更にこれら細胞を吸収性のコラーゲンスポンジ内で三次元培養し、SCIDマウス皮下に移植すると、上記の細胞譜系に分化し得ることも判明した。今後、ヒト由来細胞としての特性だけでなく、分化初期に動く遺伝子や蛋白についてDNAチップやプロテオミクス技術を用いて検討していく予定である。
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