研究課題/領域番号 |
14657372
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
斎藤 知行 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30170517)
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研究分担者 |
五嶋 良郎 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00153750)
菅野 洋 横浜市立大学, 医学研究科, 助教授 (40244496)
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キーワード | Lavendustin A / VHL遺伝子 / 神経幹細胞 |
研究概要 |
〔目的〕神経幹細胞移植は中枢神経損傷に対する新しい治療法として現在様々な研究がなされている。この神経幹細胞は様々な神経系の細胞に分化する能力があるが、neuronへ分化するものは小数である。これに対し菅野らはvon Hippel-Lindau病の原因遺伝子であるVHL遺伝子を神経幹細胞に導入することにより、neuronへの分化誘導が可能であることを報告した。今回はこのVHL遺伝子導入神経幹細胞に対しneuronの軸索延伸を促進するLavendustinAを投与し分化への影響及び移植医療への応用性を調査した。 〔方法〕Fisherラット由来の神経幹細胞にVHL遺伝子を導入した2群を作成した。1群にLavendustinAを40μg/ml投与した。またGFP遺伝子を導入した群を対照とした。48時間後にこの3群間でneuronのマーカーであるGAP43で染色した際の陽性率、及び軸索のマーカーであるNeurofilamentで染色した際の軸索の長さを比較した 〔結果〕LavendustinA投与群と非投与群の間でGAP43陽性率は差を認めず分化への関与は認められなかった。しかし軸索の長さはLavendustinA投与群で有意に延伸を認めた。そしてその傾向は時間の経過と共に顕著となった。 〔考察〕VHL遺伝子導入神経幹細胞に対して行ったLavendustinA処理により、neuronと同様にVHL遺伝子導入神経幹細胞の軸索の延伸を認めた。これにより脊髄損傷などのこれまで不可逆的とされていた病態にVHL遺伝子導入神経幹細胞とLavendustinA処理が有用である可能性が示唆された。
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