研究課題
7〜8週齢メス正常ラット(約250〜300g)を用いて、pentobarbital麻酔(腹腔内投与)下に頭皮を切開した。その後、脳表面に双極の電極を、一方は海馬近傍に、もう一方は対側半球の小脳近傍の頭蓋骨に孔をあけ、さらに硬膜にも小孔をあけて脳表面に接触するようにデンタルセメントを用いて固定した。頚部には2本の筋電極を互いに接触しないように筋肉内にナイロン糸を用いて固定した。バッテリー部分は頚部の皮下を通してラットの背部の皮下に置き閉創し、無線にて脳波および筋電図の記録を行うこととした。なお、異物を挿入し長期間留置することによる感染、ひいては創〓開を避けるため創部に抗生剤の散布を行った。埋め込み手術による脳波への影響を除外するため埋め込み手術後1週間経過した後、暗期に100%酸素を投与しながら、1.0,1.5MAC(minimum alveolar concentration)相当のセボフルランを自発呼吸下に1時間連続投与した。その際、ラットの体温の低下を避けるため保温に努めた。麻酔薬投与中及び投与中止後1週間、脳波、筋電図の記録を行い、現在その結果を解析ソフトを用いて解析中である。当初、麻酔時間は3時間程度と計画していたが自発呼吸下に麻酔を行った場合、1時間を超える頃より死亡するラットがみられたため麻酔時間を1時間とした。ラットの死亡原因としては麻酔薬による呼吸抑制が考えられ、今後、調節呼吸による麻酔薬投与が手技的に可能であればさらに長時間の麻酔薬投与における反応の検討も可能と思われる。