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2003 年度 実績報告書

神経因性疼痛における精神・情動行動異常の発症メカニズムの解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14657391
研究機関大阪大学

研究代表者

真下 節  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60157188)

研究分担者 井上 隆弥  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00335358)
柴田 政彦  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50216016)
内田 一郎  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00232843)
キーワード神経因性疼痛 / 情動異常 / 不安 / うつ / 抗うつ薬 / セロトニン / ノルアドレナリン
研究概要

慢性に続く痛みはしばしば患者を抑うつ状態に陥れ、さらなる機能障害や、痛みの増強という悪循環を生み出す。しかし、痛みの臨床でよく経験されるこの事象について動物実験で検討されたという報告はこれまでにはない。そこで神経損傷モデルを用いて情動行動の変化を観察した。
マウスの第5腰神経結紮術(結紮群)およびシャム手術(対照群)を行い、痛覚過敏反応を確認した後、不安様行動の観察はオープンフィールド、明暗実験箱、高架式十字迷路を用いて、うつ様行動の評価は強制水泳試験を用いて行った。
神経結紮により痛覚過敏反応は術翌日より3ヶ月間認められたが活動性の低下は認められなかった。神経結紮1ヶ月後、痛覚過敏反応の出現よりはるかに遅れて、不安様、うつ様行動が明確となった。抗うつ薬の効果判定にノルアドレナリン再取込阻害薬、セロトニン再取り込み阻害薬を用いた場合、痛覚過敏反応、不安様行動、うつ様行動との間でそれぞれの薬剤に対する感受性の乖離が認められた。
神経障害によって情動行動異常が発生することを動物実験で証明した。情動行動の変化は痛覚過敏反応の出現に遅れて認められた。脊髄神経結紮によって脊髄レベルの変化のみならず、さらなる上位中枢へ変化を及ぼすことが強く疑われた。今後、遺伝子学的検索を中心に、そのメカニズム解明の必要がある。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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