羊水中の創傷治癒因子、癒着防止因子の存在を確認することを目的とし、細胞培養系を用いたバイオアッセイ系を確立する。そのための至適細胞培養条件の条件設定を検討した。 羊水の準備:羊水過多の治療及び診断のために羊水穿刺を必要とした患者より同意を得てその検体の一部を実験に供するまで-80℃にて凍結保存した。提供者の細胞の混入をさけるために0.25μフィルターを用いて濾過を行った。 細胞の準備:表皮創傷治癒実験モデルとして正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(クラボウ)を用いた。培養液はMedium154S-HGKS(クラボウ)を用いた。 培養:10%羊水添加培養液と対照として10%PBS添加培養液を用い、細胞数1.25×104cells/mlより開始した。37℃、5%CO2、加湿インキュベーターにて培養を行った。 増殖能の確認:培養3日目に0.25%トリプシンEDTAを用いて細胞をフラスコ付着面より剥離した後に細胞を収集し、細胞数をカウントした。 結果:羊水添加培養液の細胞数は1.2×105cells/mlで無添加の細胞数8×104cells/mlであり羊水用いた方に細胞増殖が早い傾向が認められた。 今後の予定:10%の添加量にても対照群との差は認められたが羊水添加量を変えることによって細胞増殖速度に違いがあるか検討する。さらに羊水添加培養液での培養細胞と無添加の培養細胞におけるmRNAの発現の違いを確認していく予定である。
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