研究分担者 |
片岡 則之 川崎医療短期大学, 講師 (20250681)
奥田 博之 岡山大学, 医学部, 教授 (30033286)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
山本 尚武 岡山大学, 医学部, 教授 (50032941)
清水 壽一郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80294403)
|
研究概要 |
研究目的:本研究では,血管内皮細胞へのエストロゲンの作用を内皮細胞の動態として実時間で解析するため,ECIS(Electrical Cell-substrate Impedance Sensing)法を用い,細胞間や細胞マトリックスとの間隙および内皮細胞自体の挙動をナノ/サブナノオーダーで定量的に計測する。これらナノ/サブナノの変化を引き起こす細胞骨格や接着因子の挙動を蛍光顕微鏡と原子間力顕微鏡を併用し、併せて客観的に評価する。これらの解析により,エストロゲン濃度と内皮細胞動態との関連やエストロゲン欠乏症などを再現し,エストロゲンの循環系における役割を明らかにする。 研究の成果:ECIS法の電気的特性を機械モデルおよび数学モデルにおいて検証し,細胞間や細胞マトリックスとの間隙の変動等,内皮細胞自体の挙動とインピーダンス(抵抗と容量)との相互関係を検討した。結果,ECIS法で測定されるインピーダンスの主体は電極のインピーダンスと細胞間抵抗であり,細胞インピーダンスが若干関与関与していることが判明した。細胞間の距離変化は主として抵抗の変化として評価され,細胞マトリックスとの間隙の変動は主として容量の変化として評価される。 また,エストロゲン(17βエストラジオール)による内皮細胞の微細動態(細胞問隙,細胞-細胞マトリックス間隙,細胞自体の挙動)をECIS法にて計測し,内皮細胞における17βエストラジオールの付加前および付加後の経時的変化を定量的に評価する。また、蛍光顕微鏡・原子間力顕微鏡(AFM)を用い,細胞骨格や細胞間・細胞基質間の接着因子、NOなどの挙動を同時に明らかにするため,データの収集と分析を行っている。内皮細胞に17βエストラジオールを付加する事により,インピーダンスおよび弾性率は低下する傾向が観察された。
|