研究課題/領域番号 |
14657425
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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研究分担者 |
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
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キーワード | FOX C1 / forkhead transcription factor / TGF-β1 responsive / somatic mutation / transcriptional silencing / tumor suppressor gene / Microallay analysis |
研究概要 |
TGF-β1応答性遺伝子を単離・同定するため、卵巣癌SKOV3細胞を用い、TGF-β1処理・非処理群の間でcDNAサブトラクションを行い、FOX C1遺伝子を単離した。forkhead/winged-helix転写因子ファミリーに属するFOX C1はヒト癌細胞においてTGF-β1応答性に発現を亢進した。FOX C1両側アリルを欠失するHeLa細胞へFOX C1 cDNAを遺伝子導入し、再構成細胞を樹立した。FOX C1強制発現HeLa細胞は親及びMock細胞に比較し、TGF-β1存在下の増殖は顕著に抑制された。細胞周期G0/G1への集積が増殖抑制の原因であった。74例の子宮体癌摘出組織及び31例の卵巣癌組織を用いて、FOX C1遺伝子異常の解析を行った。6.7%の癌組織でFOX C1両側アリルの欠失、ナンセンス及びミスセンス変異をそれぞれ1例ずつ、さらに、11.7%の癌組織でFOX C1発現の欠失が観察された。以上の結果からFOX C1はTGF-β1シグナルの下流で、癌抑制遺伝子として機能することが示唆された。 FOX C1強制発現HeLa細胞と親細胞の間で、TGF-β1存在下におけるマイクロアレイ法を用いた大容量遺伝子発現変化の解析をおこなった。その結果、29遺伝子がFOX C1強制発現に伴い、発現亢進し、21遺伝子が発現抑制を受けていることが判明した。現在、これら遺伝子群の詳細な機能を解析し、FOX C1下流シグナル伝達路を明らかにする研究を進めている。
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