[目的]ラジオ波焼灼術(RFA)は肝細胞癌の新しい局所温熱療法として脚光を浴びている。本邦では2000年頃より臨床に用いられているが、近年は肝細胞癌だけではなく肺腫瘍、腎腫瘍、前立腺腫瘍に対してRFAを用いた治療の試みが報告されている。今回、我々は婦人科悪性腫瘍に対する治療で手術、放射線療法、化学療法を施行して尚、骨盤内に局所再発した腫瘍に対してQOLを重視した延命目的の治療法としてRFAを試みたので報告する。 [症例]卵巣症再発2症例、子宮頚癌再発1症例に対してRFAを施行した。 [方法]3症例に対して、RITA社製SYSTEM500PA並びにハンンドピースmode130を使用してRFAを行った。3症例のうち、1症例は開腹直視下にてRFAを施行、2症例は経膣的超音波下にてRFAを施行した。100℃10分間を1サイクルとして平均9.6回施行。腫瘍マーカーの推移、画像(MRI、超音波)上の腫瘤の大きさ、形状を追跡することで効果判定を行った。 [結果]3症例ともRFA終了後は腫瘍内部は壊死に陥り、一時的に腫瘍マーカーは低下した。その後、3症例すべてにおいて腫瘍マーカーが再上昇した。2症例は肺転移、肝転移を認めた。1症例は局所再発部位の増大が認められたが遠隔転移を認めず、その為、この1症例に対しては再度RFAを施行し現在経過中である。 [結論]RFAは肝細胞癌に対しては、その適応条件が限定されており、適応を守れば治癒を期待できる治療法である。婦人科再発腫瘍に対するRFAでは、我々は手術、放射線療法、化学療法施行後に遠隔転移を認めず、局所のみに再発した症例を適応例としている。こうした条件を満たした症例に対して周辺臓器に対する損傷を避けながら腫瘍を縮小させ、QOLを重視した延命目的の治療法としてRFAを検討中である。
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