研究課題/領域番号 |
14657446
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高木 均 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283596)
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研究分担者 |
鈴間 潔 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335265)
田辺 晶代 京都大学, 医学研究科, 講師 (80243020)
高橋 政代 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80252443)
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 黄斑変性症 / 毛細血管瘤 / 血管透過性亢進 / PDGF / 網膜浮腫 / pericyte loss / アンジオポイエチン1 |
研究概要 |
当該研究では、糖尿病網膜症、未熟児網膜症などの網膜虚血に続発する網膜新生血管や、黄斑変性症における脈絡膜新生血管といった病的新生血管の正常化が可能かを検討することを目的とする。糖尿病網膜症では周皮細胞の変性・脱落が初期変化として起こり、毛細血管瘤や血管透過性亢進といった血管異常が網膜浮腫、網膜剥離などの病変を引き起こすことが知られている。抗PDGF受容体β型特異的モノクローナル抗体を生直後より投与することにより、周皮細胞変性モデルマウスを作成したところ、その網膜血管は周皮細胞による被覆を失い、内皮細胞間結合の解離、細胞外マトリックス異常、網膜浮腫などpericyte loss後に進展する糖尿病網膜症に類似していた。このような異常血管に対して、周皮細胞から分泌される内皮制御因子であるアンジオポイエチン1(Ang1)を単独投与したところ周皮細胞の被覆がない状態の血管においても網膜血管の正常な形成がみられ、浮腫や出血が阻止された。このようにAng1は周皮細胞の被覆を失った血管の異常、ひいては網膜の病的変化を是正する可能性が示唆された。Ang1により、糖尿病網膜症モデルにおける周皮細胞減少を伴う網膜異常血管が正常化するかどうか、網膜病変画改善するかどうか、さらには黄斑変性症モデルにおける脈絡膜新生血管が正常化するかどうか現在検討中である。
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