研究課題
『頭顎顔面の初期発生に発現する新規同定遺伝子の役割の解明』顎顔面は、他の器官と同様にダイナミックな上皮と間葉の相互作用のもとに形成される。古典的な両生類の移植実験おいて、歯牙・骨・軟骨の形態形成には口腔外胚葉と頭部神経堤細胞と前腸内胚葉の三つの組織の存在と相互作用が必要であることが示されている。したがって、顎顔原基の形態形成における新規同定遺伝子の役割を解明するためには、それらの3つの組織における新規遺伝子の局在領域とその発生段階を明かにし、さらに、その下流で働く既知の分子を同定することが重要である。(1)胚発生におけるこれらのkrox26の局在とその発生段階Krox26は、FGFRの発現領域に発現することが、あきらかになり、E10までは予定軟骨形成領域の初期マーカー(Sox9とTypeII collagen)と相補的な発現パターンを示し、軟骨を形成する時期(E11.5以降)には消失することが明らかになった。Fgf-signalingを介するearly-response geneであることを示唆している。(2)E9からの下顎器官培養下でランダムとアンチセンスのOligo-nulceotidoを適用した結堰A両者の差は認められなかったが、krox26の遺伝子の過剰発現させるとメッケル軟骨が消失した。(3)組織学的に培養胚や培養器官を解析し、新規遺伝子の強制発現によりsox9とTypeII collagenが低下することが明らかになった。(4)Fgf8の発現を抗体により阻害した結果、顎におけるkrox26の発現が減少した。これらのことは、krox26はFgfsignalingを介する未分化の維持に機能していることを示唆している。
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