研究概要 |
当初予定していた嚥下中における脳機能を脳磁図装置と脳波計との同時記録,また同一被検者で嚥下をDSA装置と脳波計との同時記録をおこない,脳波を基準にしながら脳機能の変化と嚥下動態を比較しようと行った。しかしながら,嚥下中に於いて顕著な特徴ある脳波を得ることができないうえに,DSA装置を用いた嚥下動態の撮影時の脳波に雑音が入るため,脳波を基準にできなかった。このため脳波の代わりに,筋電図波形を用いて脳機能の変化と嚥下動態を比較しようとした。舌骨上筋群及び甲状舌骨筋付近の表面筋電図波形は3つの嚥下のパターンに分類された。 また装置に付属しているソフトでは,脳磁図装置は全ての筋電図波形をトリガーとして加算しなければならないので,嚥下によるダイポールが現れなかった。そこで,3つの嚥下パターンに分類した筋電図波形をトリガーとして加算するソフトを試作し,処理することによって運動野(4野)にダイポールを見つける事ができた(成人,右利き,4人)。一方,DSA装置を用いた嚥下動態と筋電図を一致させてデータを集収することが可能になった。したがって筋電図を基準として脳磁図と嚥下動態を比較する事が可能になった。
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