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2002 年度 実績報告書

BMP上流の転写因子Glisによる象牙芽細胞分化調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14657492
研究機関九州大学

研究代表者

中島 美砂子  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (20207773)

研究分担者 平田 昌子  九州大学, 歯学部附属病院, 助手 (10153769)
渡邊 武  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
赤峰 昭文  九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
キーワードGil transcription factors / Bone morphogenetic proteins / 象牙芽細胞 / リアルタイムPCR / Dentin Sialoprotein / 歯髄組織幹細胞 / 電気的遺伝子導入法
研究概要

歯髄細胞は歯髄組織内では未分化の状態にとどまり、辺縁部のみ高度に分化した象牙芽細胞が存在する。つまり、歯髄内には象牙芽細胞への分化を抑制する因子が存在する可能性があると考えられ、以前より歯髄にのみ発現するジンクフィンガー型転写調節因子GliH1をクローニングし、ノックアウトマウスを作製したが表現型はみられなかった。GliH1はGli1,Gli2,Gli3とともにハエのCiと高い相同性がある。Ciは骨形成因子Bone morphogenetic proteins(BMPs)のハエの相同蛋白DPPを上流で調節することが知られている。つまり、脊椎動物においてもこれらのGlisがBMPsの上流で転写を調節している可能性がある。一方BMPsは歯髄細胞の象牙芽細胞への分化を調節しているといわれている。したがって、今回、歯髄に強い発現のあるGli1,Gli3およびGliH1のトリプルノックアウトマウスを用いてin vivoにおいてGlisのBMP上流での象牙芽細胞分化調節機構の解明を進めた。Gli1-/-; GliH1-/-は胎生致死とはならず、生後1年以上生存し、表現型はみられなかった。Gli3-/-は胎生致死であるため、Gli1-/-; Gli3-/-; GliH1-/-の胎生15.5日目の歯胚の連続切片を作製し三次元的に観察したが、表現型は見られなかった。したがって、ウシ培養歯髄細胞に、Gli1、Gli3およびGliH1の遺伝子を導入して過剰発現させ、ルシフェラーゼアッセイを行ったところ、Gli3およびGliH1がGli1の転写活性を抑制していることが明らかとなった。また、ヒト継代歯髄細胞に電気的に遺伝子導入し、2日後に、象牙芽細胞の分化マーカーであるDentin SialoproteinのmRNAの発現をリアルタイムPCRにて比較すると、Gli1、Gli3、GliH1の遺伝子3種の過剰発現により、Gli1単独に比べて1/64に減少することがわかった。現在、さらに、ヒトの歯髄組織幹細胞を用いて同様にGlisを過剰発現させ、DSPならびにBMPsの発現を比較し、象牙芽細胞の分化ならびにBMPsの発現に対するGliメンバーの相互調節機構を調べている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakashima M., Tanese N., Ito M., Auerbach W., Bai C., Furukawa T., Toyono T., Akamine A., Joyner A.L.: "A novel gene, GilH1, with homology to the Gli zinc finger domain not required for mouse development"Mech. Dev.. 119. 21-34 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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