研究分担者 |
吉田 恵一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60240280)
栗山 實 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90134725)
真柳 昭紘 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90014167)
岡田 大蔵 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (80323690)
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研究概要 |
高齢者においては,一般に補綴時に歯を支えている歯槽骨に吸収が認められる場合が多い.このような患者に対する補綴物の咬合面形態をどのように回復させるかは治療結果を左右する重要な問題であるが,朱だに不明な点が多い.そこで,本研究では歯槽骨吸収の程度が異なる歯の機能時の変位経路を測定分析するとともに,咬合接触の強さおよび咬合接触部位を変化させたときに歯の変位経路,咀嚼効率にどの様な影響を与えるかを調べるために,まず顎口腔系に異常がなく,歯槽骨吸収以外に歯周組織に炎症等の認められない天然正常歯列者において,機能時の歯の変位経路を計測し,歯槽骨が正常な場合と比較した. 歯槽骨の吸収が認められる被験者の下顎右側第1大臼歯の咬頭嵌合位での噛みしめ時の変位量は50μm程度と正常者とほとんど変わらないものの,変位方向に関しては正常者とは逆の頬側方向に変位していた.プリッツ咀嚼時には,正常者に見られた咀嚼初期の頬側への変位が見られず,咀嚼初期より舌側方向に変位し,さらに健常者に比べて幅のある大きな動きを示していた.咬合接触像に特に異常は認められないにもかかわらず,歯槽骨の吸収を伴うような症例では,補綴物製作時には補綴物に正常な変位経路をとるような咬合接触関係を付与する必要があることが明らかとなった.平成15年度は、歯槽骨の吸収を伴うような症例に咬頭の傾斜,咬合接触点の位置を変化させたクラウンを作製し.被験食品咀嚼時の下顎運勒,歯の変位経路,筋電図への影響について解析する.
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