現在、リン酸塩系の埋没材が抱えているいくつかの問題の中で、特に、鋳造後の埋没材の強度が石膏系のものに比べて強すぎるために、鋳造体の取り出しが困難であるとともに、また、鋳造体の寸法変化を引き起こし、適合性にも悪影響を及ぼすことが知られている。この対策をはかるために、シラスあるいはシラスバルーンを埋没材の主要な組成である耐火材として配合した試作埋没材の準備を進めた。しかしながら、歯科臨床で利用可能なシラス、シラスバルーンの適当な粒度、その分布などの決定が一部遅れたことや、要求設備の熱膨張測定システムの設置が納期の遅れにより、本年度、当初の予定より遅れたが、歯科臨床で利用可能な組成を操作性、膨張性(硬化膨張)などの測定を終わり、現在、その結果を検討している。今後、現在までに得られた結果をもとに、設置が完了した要求設備を利用し加熱膨張の測定を進めるとともに、現有設備を利用して強度やその他の平成14年度に予定していた測定を早急に終える予定である。そして平成15年度中に予定した通気性、鋳造精度、鋳造体表面の反応性生物、表面性状の検討に取り掛かかる予定である。
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