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2003 年度 実績報告書

口腔癌の蛍光診断および光線力学治療の開発とその細胞生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 14657528
研究機関徳島大学

研究代表者

長山 勝  徳島大学, 歯学部, 教授 (30022867)

研究分担者 中西 宏彰  徳島大学, 歯学部, 助手 (00243717)
里村 一人  徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80243715)
鎌田 伸之  徳島大学, 歯学部, 助教授 (70242211)
桃田 幸弘  徳島大学, 歯学部, 助手 (00304543)
藤澤 健司  徳島大学, 歯学部, 助手 (40228979)
キーワード口腔癌 / 前癌病変 / 光線力学療法 / 蛍光診断 / フォトフリン / 5-アミノレブリン酸 / レーザー / プロトポルフィリンIX
研究概要

5-アミノレプリン酸(5-ALA)は生体内で光感受性物質であるプロトポルフィリンIX (PPIX)に変換される生理活性物質で、近年光線力学療法(PDT)や蛍光診断において種々の領域で医療応用されている。本研究では臨床研究においてALA-PDTの有用性および安全性を検討するとともに、その治療効果増強を目的に、培養細胞を用いて新規ALA誘導体の光生物学的作用を検討した。
まず臨床研究では徳島大学歯学部附属病院倫理委員会の承認下に、口腔前癌病変に対してALA-PDTとともに蛍光診断を行い、その有用性および安全性を検討した。5-ALA内服4時間後にエキシマダイレーザーを照射し、PDTの前後で病変部および正常粘膜部に青色レーザー光を照射して、PPIXの励起蛍光をスペクトロメーターで測定した。その結果、ALA投与直後よりPPIXのピークが出現し経時的に増強した。このシグナルは正常粘膜部よりも病変部で強く、正常粘膜部では、5-ALA投与6時間後をピークに徐々に減弱した。一方病変部ではPDT直後にPPIXのシグナルはほぼ消失した。以上のことから5-ALA内服投与と青色レーザーにより、PPIXの蛍光強度を指標として腫瘍と正常の識別が可能であることが示唆され、このPPIXの分析はALA-PDTにおける条件設定および効果判定に有益であると考えられた
基礎実験では、5-ALAおよびALA-Hexに加えて6種類の新規ALA誘導体を用い、マウス角化細胞株における細胞内PPIXの蓄積を蛍光光度計を用いてその蛍光強度を測定、比較した。またPPIXの細胞内局在は蛍光顕微鏡により観察した。さらに増感薬剤で処理した細胞にレーザー光を照射し、MTT法によりその光毒性を比較検討した。その結果、新規ALA誘導体はALAと比較して、同濃度もしくは低濃度で細胞内PPIX蓄積を亢進し、さらに光毒性も増強した。一方今回用いた濃度では、これらの誘導体は、ALA-Hexにみられるような細包毒性は認めなかった。また単位時間内に細胞内に取り込まれる薬剤量は、ALAと比較して同程度から約16倍に増加した。以上より新規ALA誘導体は、in vitroにおいてALAよりも低濃度で光毒性を示す一方、細胞毒性は低いことから、ALA-PDTにおいて治療効果の増強、投与量の削減、副作用の軽減に有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakanishi H: "In Vivo killing of porphyromonas gingivalis by toluidine blue-mediated photosensitization in an animal model"Antimicrobial Agents and Chemotherapy. 47(3). 932-940 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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