研究概要 |
昨年、口腔扁平上皮癌由来細胞株における、osteoclast differentiation factor(ODF)の発現をRT-PCRにて、SAS NA,HSC-2,SQ-UUにて観察した。その結果、すべての細胞株でその発現が認められた。現在、当科にて樹立したエナメル上皮腫細胞株AM-1にて同様の検索を行っている。また、ODF以外のタンパク質で破骨細胞分化、活性化に関与するIL-1、TNFaについて、同様にRT-PCR法にて確認したところ、IL-1は発現を認めた。さらに、AM-1のODF発現にたいするIL-1、TNFaの影響を検討中である。また、SAS NA,HSC-2,口腔扁平上皮癌由来細胞株にたいし、抗ガン剤パクリタキセルを用いて、その影響をODF、IL-1、TNFaについて観察している。 現在健常人からの骨髄細胞を採取する準備を行っているが、腫瘍患者骨髄の一部を採取し、破骨前駆細胞のマーカー分子の検討を行っている。 細胞株だけでなく、手術標本から得られた資料より、PTHrPは、他のタイプと比べ虫食い型で有意にその発現が高かったことがわかった。これらの現象から、やはり破骨細胞を分化ないしは活性化する因子を多く発現する癌細胞が、骨浸潤しやすく、さらにこれらのマーカーを用いて、骨浸潤を予測し、臨床応用するべく、精度の向上にむけ、ODFなど新たなマーカーについて、さらに検討していく予定である。
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