研究課題/領域番号 |
14657537
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
飯田 順一郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90151232)
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研究分担者 |
日下部 豊寿 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80322824)
岡本 亨 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (30301914)
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (00250465)
梶井 貴史 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60322822)
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キーワード | 不正咬合マウス / BALB / cマウス / brachymorphism / bm / bm / 短肢症 |
研究概要 |
BALB/c-bm/bmマウスは、先天的に短肢症を生じるC57BL-bm/bmマウスからのbm(brachymorphism)遺伝子をBALB/c系マウスに自然交配して、BALB/cマウスに短肢症を生じさせたものである。bm遺伝子は常染色体劣性遺伝の形をとるが、このBALB/c-bm/bmマウスのうち約10%のものが不正咬合(前歯部交叉咬合)を発症する。我々はこのBALB/c-bm/bmマウスを不正咬合の実験モデルとして確立することを目的とした。 まず最初に、BALB/c-bm/bmマウスのうち不正咬合(前歯部交叉咬合)を発症したマウス(以下BALB/c-bm/brma1マウスと略す)が誕生する過程を調べた。その結果、bmホモマウス同士を交配したからといって、必ずしもBALB/c-bm/bm-ma1マウスが誕生するわけではなかった。しかし、BALB/cマウスやBALB/c-bm(+)(ヘテロ)マウスでは前歯部交叉咬合マウスを発症しないことより、bm遺伝子は前歯部交叉咬合の発症に必要不可欠な因子のうちの一つであることが明らかになった。同時に、前歯部交叉咬合の発症には多因子が関係していることが示唆された。 続いて、BALB/c-bm/bm-ma1マウスの3週齢と20週齢をそれぞれ(n=4)解剖し、上下顎骨ならびに歯槽部を観察した。その結果、肉眼上では上顎が下顎に比べ偏位の程度が強かった。また、顎骨自体よりも歯槽部の偏位が強かった。歯数の異常は認められなかった。 一方、ヒトで交叉咬合を発症する率の高い疾患であるHemifacial microsomia(以下HFMと略す)の患者からの試料を用いて、顎骨の大きさと第三大臼歯歯胚の有無に関連があるかを調べた。その結果、HFM群内において、通常骨の形成不全が認められる患側と健側の間における第三大臼歯歯胚欠損率には、有意差は認められなかった。
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