研究概要 |
被験者の募集、歯周検査、栄養調査、DNA抽出とHLA遺伝子検査、プラーク中細菌の分析法の開発 1.被験者の募集 成人100名を募集したが、今年度の応募者は24名(男6名、女18名)であったので、次年度も募集を続けることにした。 2.歯周検査 被験者のポケット深さ、プロービング時の出血、アタッチメント喪失、歯の動揺度、歯石、プラークの診査を行った。その結果、4mm以上のポケットは24名の被験者中15名(62.5%)に認められ、出血は17名(70.8%)にみられた。Plaque Control Record(PCR)は、平均42.8%であった。 しかし、フィールドでは、エアーシリンジや照明などの診察設備、及び試料運搬時の冷凍庫の設置が行えないため、歯肉溝滲出液の採取を断念した。そこで、歯肉溝滲出液中のgrowth factor(TGF-α)とサイトカイン(TNF-α、IL-1)を直接測定する代わりに、それらの作用に関連すると言われているレセプターの遺伝子型の利用を検討中である。 3.栄養調査 質問紙により、食品の摂取頻度、嗜好、喫煙、服薬などについて調査した。その結果、喫煙をする人5名(20.8%)、服薬している人8名(33.3%)であった。味覚嗜好調査では、甘いものが好き79.2%、苦いものが嫌い29.2%、酸っぱいものがすき58.3%と、以前に大学生で行った調査結果に近似していた。 4.DNA抽出とHLA遺伝子検査 採取した頬粘膜剥離細胞から、DNA抽出キットを用いて、DNAを抽出した。DNAのHLA遺伝子検査をHLA DQA1,DQB1,DRB1について行う予定であったが、DQA1キットが販売中止となったため、代替する方法を検討中である。 5.プラーク中細菌の分析法の開発 プラーク中のP.gingivalis,B.forsythus,T.denticolaの分析方法については、DNA増幅による分析が未だ確立していないので、モノクロナールを用いた方法も含め検討中である。
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