研究課題
本研究に同意した複数有志から血液試料を採取し、ゲノムDNAを精製した。現時点で最も有力と考えられる候補遺伝子について、タンパク質を変化させる調節領域ならびにアミノ酸配列を変化させる翻訳領域についていくつかのSNPをさらに選び、その両側を挟むPCRプライマーを作成し、該当領域を増幅したのち、塩基配列の決定を行った。一方、頭蓋顎顔面形態の特徴を3次元的に捉える目的で、従来の側面位・正面位頭部X線規格写真の計測項目を参考に、3次元要素を加えた新たな項目を新たに定義した。平成15年度までに収集した本学部附属病院矯正科受診の顎変形症患者(骨格性下顎前突、骨格性上顎前突、骨格性開咬)、および頭蓋顎顔面領域に形成異常を呈する先天異常症候群患者のCTおよびMRIのデータを、我々が新たに定義した3次元計測項目を用いて計測・分析を行った。そして、このSNP解析結果と顎変形症患者の形態の特徴を示す計測項目について統計学的相関を検討した。しかしながら、今回、顎変形症患者(骨格性下顎前突、骨格性上顎前突、骨格性開咬)、および頭蓋顎顔面領域に形成異常を呈する先天異常症候群患者について、頭蓋顎顔面の形態に相関をもたらすSNPを特定することはできなかった。これは、今回の研究では、SNPの候補遺伝子が限られていた点が原因であると思われる。本研究は骨の代謝に関わるマーカーについてSNPを検討した。つまり、骨の代謝以外の要素によって頭蓋顎顔面領域の形成異常が引き起こされる可能性が示唆された。
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