研究課題/領域番号 |
14657560
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 修 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50195781)
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研究分担者 |
眞鍋 敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (00251439)
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キーワード | 水中反応 / 高分子触媒 / アリル位置換反応 / パラジウム触媒 / 加水分解 / 界面活性剤 / 脱水反応 / スルホン酸 |
研究概要 |
水中での有機合成反応、中でも反応基質に対して極少量の触媒を用いる触媒的合成反応の開発は、環境調和型化学反応開発の観点から、極めて重要な課題である。更に、水が有する特異な性質を積極的に活用することにより、有機溶媒中では実現できなかった反応性・反応選択性を具現できる可能性があり、反応化学の視点からも興味深い研究領域である。筆者らは以前に、界面活性剤とBronsted酸との性質を併せ持つ分子であるドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)が、水中での脱水エステル合成反応に有効な触媒であることを報告した。このような「水中での脱水反応」は、従来の化学の常識から逸脱したユニークなものである。本年度は、この反応系を発展させ、以下の触媒反応系を開発した。 (1)ポリスチレン樹脂に長鎖アルキル基を導入した高疎水性高分子型スルホン酸触媒を開発し、水媒体中での種々の反応(エステル、チオエステル、アセタール、ケイ素エーテルの加水分解等)に有効であることを示した。本触媒系では、触媒の構造と、スルホン酸残基の導入率が、触媒活性に重要であることを明らかにした。 (2)アリルアルコール類をアリル化剤として用いる、パラジウム触媒による水媒体中でのアリル位置換反応を開発した。本反応は一種の脱水反応であり、大量の水が媒体として存在している反応系でも効率的に進行するという点で、重要かつ興味深い触媒システムである。また、本反応の高速化に、ある種のカルボン酸の添加が有効であることを見出した。 以上の研究成果は、水中での新触媒システムの開発に重要な指針を与えるものであると考えられる。
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