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2003 年度 実績報告書

リポソームカラムによる脂質膜と薬物の相互作用の解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14657567
研究機関北海道大学

研究代表者

加茂 直樹  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10001976)

研究分担者 奈良 敏文  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (30241350)
キーワードリポソーム / カラムクロマトグラフ / HPLC / 溶離プロファイル / 溶離曲線の広がり / lipophilic phosphonium cation / 脂溶性イオン / 膜ベジクル固定化
研究概要

薬物・化学物質と生体膜ないしは脂質膜(リポソーム)との相互作用を感度よく,精度よく測定する方法の開発を目指すとともに,生体膜と薬物との相互作用の機構を考察することを目的としている.
リポソームをカラム材料に固定化して,HPLCの方法を利用して,脂溶性陽イオンであるtetraphenylphosphoniumおよびtriphenyl-n-alkyl (n=1-6)-phosphonium同族体のリポソームへの分配率を求めた.溶離位置は,それらホスフォニウムイオンの脂溶性に従っていた.一方,その溶出パターンを解析すると,単純なHPLCの溶出理論には合致しないことが分かった.すなわち,溶出パターンの広がり(二次モーメント)は,溶媒の流速に反比例するはずであるが,実験ではその流速の2乗に反比例した.その理由を検討して,リポソームカラムに対する理論式を構築した.
この理論の骨子は,リポソームという大きな物体がカラム材料に固定化されているので,溶媒の流れは乱れてしまい,通常のHPLCの理論が適用出来ないと考え,ある範囲の薄い板状の部分では,HPLCの理論とは反対に,よく撹拌されている仮定したことである.
この理論によれば,リポソームへの吸着や脱着速度が,流速とともに,溶離パターンを決める.そのため,実験からリポソームへの吸着や脱着速度を求められるようになった.その速度は,アルキル鎖のnの値の偶奇に依存した.これらホスフォニウムイオンの膜透過の速度や水和でも,偶奇性が見られており,その原因の分子論的な解明が次の問題である.
バクテリアの膜ベジクルの固定化を試みている.これにより,膜タンパクと基質との相互作用が調べることが出来る.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] W.Hu, P.R.Haddad, K.Hasebe, M.Mori, K.Tanaka, M.Ohno, N.Kamo: "Use of biomimetic chromatographic stationary phase for study of the phosphatidylcholine membranes"Biophys.J.. 83. 3351-3356 (2002)

  • [文献書誌] W.Hu, P.R.Haddad, K.Tanaka, M.Mori, K.Hasebe, M.Ohno, N.Kamo: "Creation and characteristics of phosphatidylcholine stationary phases for the chromatographic separation of inorganic anions"J.Chromatogr.A.. 997. 237-242 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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