研究課題/領域番号 |
14657584
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
河野 通明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00027335)
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研究分担者 |
谷村 進 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90343342)
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キーワード | チューブリン / 細胞質微小管 / がん化学療法 / 併用効果 / 細胞周期 / JNK / アポトーシス |
研究概要 |
1.ERK-MAPキナーゼ系が恒常的に活性化されている癌細胞において、MEK阻害剤処理によるG1期集積が、チューブリン重合阻害剤のアポトーシス誘導作用を、極めて顕著に増強することを見いだした。これまで、チューブリン重合阻害剤の抗腫瘍(アポトーシス誘導)作用は、G2/M期における紡錘体微小管の機能阻害(染色体分配阻害)を介して引き起こされるとされていた。一方、G1期集積によってそれが増強されたことより、チューブリン重合阻害剤は、間期に存在する細胞質微小管の機能阻害を契機として、何らかの細胞死誘導シグナルを惹起する可能性を見出した。 2.MEK阻害剤とチューブリン重合阻害剤の併用によるアポトーシス誘導は、微小管構造に顕著な影響を及ぼさない低濃度のチューブリン重合阻害剤によっても引き起こされることを見出した。これは、チューブリン重合阻害剤の抗腫瘍効果が、紡錘体微小管の崩壊を介して引き起こされるのではない可能性を側面から支持するものである。 3.チューブリン重合阻害剤によるアポトーシス誘導は、タンパク合成阻害剤の共存によって完全に抑制された。また、チューブリン重合阻害剤処理によって、c-Jun N-terminal kinase (JNK)が活性化されること、タンパク合成阻害剤存在下ではJNKの活性化が誘導されないことを見いだした。さらに、チューブリン重合阻害剤によるアポトーシス誘導は、JNK阻害剤によって大幅に抑制された。上記条件下において、JNKの発現レベル自体には有意な変動が認められなかったことより、チューブリン重合阻害剤によるアポトーシス誘導においては、細胞質微小管の崩壊を契機として新たに合成された何らかのタンパク質によってJNKが活性化され、それが重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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