研究概要 |
(1)cDDR5のサルへの接種(平成14年度) Adjuvantとして完全フロイントアジュバントおよび不完全フロイントアジュバントを用いた。エマルジョン作製は、常法に従った。cDDR5の接種計画としてカニクイザルに一週間間隔で皮下に(300μg/匹)で接種した。3回目以降のcDDR5接種後、毎回抗血清を採取した。なお、サル実験はハムリー株式会社つくば研究所において行い,同研究所内に設置されてある実験動物倫理委員会の規則に従ってサルに対する実験を行った。 その結果、cDDR5接種カニクイザルにおいて、cDDR5に対する抗体が誘導されていることが、BIAcoreを用いて確認できた。なお、cDDR5をあらかじめ抗血清とpreincubationすることによりBIAcoreのセンサーチップへの結合が阻害されたことから、cDDR5に対する抗体を霊長類において誘導できることが確認できた。 従って、霊長類における本抗原の利用が可能になり、カニクイザルにおいて自己抗体誘導能があることが確認できた。最終的に、ヒトへの応用を視野に検討を進めていきたい。 (2)In vitroにおける抗HIV効果(平成14年度) (1)により得られた抗血清の抗HIV効果をMAGIC-5細胞を用いて検討した。その結果、cDDR5を免役したカニクイザル由来の抗血清によりCCR5指向性ウイルスであるJRFLおよびSHIVSF162P3の感染を著しく阻害した。 (3)In vivoにおける抗HIV効果(平成14年度) 現在、カニクイザルを用いてin vivoにおける抗HIV効果を検討するために、cDDR5の最終boostを行っており、抗体価の上昇が確認され次第、SHIVSF162P3を攻撃接種し、感染防止効果が得られるか検討することになっている。
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