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2002 年度 実績報告書

尿中の主セレン代謝産物セレノシュガーの生成機構と生物学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 14657587
研究機関千葉大学

研究代表者

鈴木 和夫  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90109918)

研究分担者 小椋 康光  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (40292677)
キーワードセレン / セレノシュガー / セレン糖 / N-アセチルガラクトサミン / モノメチルセレン / 亜セレン酸 / セレニド / メチル化反応
研究概要

セレンは生体に必須な元素である。亜セレン酸、セレン酸などの無機セレン化合物から、セレノシステイン、セレノメチオニンなどのセレノアミノ酸(有機セレン化合物)まで栄養源として利用される。さまざまなセレン化合物が栄養源として利用されるためには、これらが生体内で代謝され、セレニド(selenide)となり、セレノシステインとしてセレンたんぱく質に取りこまれなければならない。また、利用された後は尿中に主として排泄されるが、そのときのセレンの化学形態(化学形)は摂取量が適正範囲以内の時は主としてモノメチル化体であるが、過剰に摂取されたときは、トリメチル化体であることが知られている。しかし、モノメチル化体の化学構造については、確定されていなかった。今回、尿中のモノメチル化体の化学構造を明らかにすることを第一の目的とした実験を行った。
適正量の10倍用量までは、尿中に排泄されるセレンはモノメチル化体であることを確認した後、この用量の亜セレン酸をラットに投与し、その尿を採取してモノメチル化体を精製した。質量分析法によりその構造を推定したところ、N-アセチルヘキソサミンにメチルセレノ基が結合している新規の構造であることが推定された。さらに、核磁気共鳴スペクトルの結果から1βメチルセレノーN-アセチルガラクトサミンと推定された。この構造を確定するため、化学的に合成し、新規のセレノシュガー (セレン糖) であることを確認した。
亜セレン酸を投与した直後のラット肝臓中には2つの未知セレン化合物が検出されるが、その内の1つは尿中のセレン糖と同一であった。他の一方のセレン化合物はメチルセレノ基のメチルの代わりにグルタチオンが結合した構造であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Kobayashi et al.: "Selenosugars are key and urinary metabolites for selenium excretion within the required to low-toxic range"Proc. Natl. Acad. Sci USA. 99. 15932-15936 (2002)

  • [文献書誌] Y.Ogra et al.: "Identification of a novel selenium metabolite, Se-methyl-N-acetyl-selenohexosamine, in rat urine by the HPLC-ICP MS and-ESI MS/MS methods"J. Chromatogr. B. 767. 301-312 (2002)

  • [文献書誌] K.T.Suzuki, Y.Ogra: "Metabolic pathway for selenium in the body : Speciation by HPLC-ICP MS with use of enriched Se"Food Additi. and Contam. 19. 974-983 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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