研究課題/領域番号 |
14657598
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
別府 正敏 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60114633)
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研究分担者 |
林 明子 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (20339097)
平野 和也 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80251221)
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キーワード | 環境化学物質 / 内分泌撹乱化学物質 / 環境ホルモン / 細胞毒性指標 / アポトーシス / 細胞死 / シグナル伝達撹乱 / アポトーシス撹乱 |
研究概要 |
環境中の各種化学物質の細胞毒性の新たな指標として、アポトーシス(あるいは細胞死)を直接引き起こす作用だけでなく、別途に誘導されているアポトーシスを促進したり抑制したりするような作用(アポトーシス撹乱作用)の可能性を考え、このような作用をも検出できる簡便なスクリーニング系を構築する目的でin vitro アッセイ系の検討を行った。 1.アポトーシス誘導系の組立:ヒト培養細胞を用い、アポトーシス誘導剤無添加の系列と、適度なアポトーシスを誘導する系列の二系列に対し、化学物質を低濃度から高濃度まで添加し、20時間培養後のアポトーシス発生および細胞破壊の程度を測定した。 2.アポトーシスおよび細胞破壊の検出:アポトーシスの判定は、ヘキスト染色法による顕微鏡レベルでの視覚的判定、TUNEL法による核染色の後Flow cytometryによる判定、Phosphatidyl serine (PS)露出のFlow cytometryによる判定にて行った。その結果、ヘキスト染色法は微妙な変化の再現性に乏しく、これのみでの判定は危険であること、2)TUNEL染色法と露出PS測定法に良好な相関があることがわかった。また、ネクローシスに通じる細胞膜損傷の指標としてのPropidium iodide(PI)による核染色のFlow cytometryによる判定をPS露出測定と同時に実施することによって、アポトーシス判定では見逃してしまう細胞毒性をもモニターできることがわかった。 3.上記のような、実験系を構築して数種のエストロゲン様化学物質の影響を検討したところ、ある種の化学物質はそれ自身にはアポトーシス誘導活性は認められないが、すでに誘導されたアポトーシスを促進する作用があることを示す予備的結果を得た。
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