研究課題/領域番号 |
14657602
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前野 哲博 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (40299227)
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研究分担者 |
大滝 純司 東京大学, 医学部, 助教授 (20176910)
松崎 一葉 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (10229453)
山口 巌 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30111389)
藤崎 和彦 岐阜大学, 医学部, 助教授 (60221545)
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キーワード | 研修医 / ストレス反応 / 抑うつ状態 |
研究概要 |
平成14年度に行った質的研究及び予備調査の結果をもとに質問票を作成した。対象施設は全国40施設(大学病院8施設、研修指定病院32施設)であり、合計900人の研修医に調査への協力を依頼し、うち604人から同意を得た。オリエンテーション時に第1回調査、研修開始後1〜2か月後に第2回調査を行い、平成16年度に第3回の調査を行った。 調査結果では、研修開始後1〜2か月後には38.7%の研修医が抑うつ状態になっていた。そのうち、第1回調査では抑うつ状態を認めず、第2回調査で抑うつ状態に陥っていた研修医、すなわち研修開始後を新たに抑うつ状態になった研修医は25%という数字であった。抑うつ状態に陥っている研修医とそうでない研修医を比較すると、受け持ち患者数、診療時間などの量的負荷が有意に多かった。 また、将来への不安を抱える研修医と有意に関連しており、抑うつ状態の早期発見の手がかりとなることが示唆された。さらに、「忙しくて疲れていたので、本来なら行うべき検査・処置をしなかったことがある」「忙しくて疲れていたので、本来なら考えられない医療事故を起こした、あるいは起こしそうになったことがある」「もう臨床をやめたいと思うことがある」など、診療または研修医個人への影響について尋ねる質問との関連を見ると、いずれも「よくある」と答えた研修医は抑うつ状態の研修医で有意に多かった。研修医が身体的・精神的に安定して研修に専念できる体制を構築することは、より充実した研修のためのみならず、安全で質の高い医療サービスを提供するためにも重要なテーマであることが示唆された。 平成16年度は必修化の初年度であることから、今年度と同様の調査を行って比較をすることにより、研修方式による研修医のストレスの違いについても評価を行う予定である。
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