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2003 年度 実績報告書

進行悪性腫瘍治療に際し患者の選好を組入れるための決断支援システムに関する予備研究

研究課題

研究課題/領域番号 14657605
研究機関京都大学

研究代表者

小山 弘  京都大学, 医学研究科, 講師 (90273515)

研究分担者 福井 次矢  京都大学, 医学研究科, 教授 (50208930)
キーワード決断支援 / Analytic hierarchy process / 進行悪性腫瘍 / 患者の選好 / shared decision making
研究概要

進行期悪性腫瘍に罹患した近しい家族を看取った方5人に対するsmall group interviewにより、[家族が推察するところの]患者にとっての治療目標は「日常生活への復帰」であることが示唆された。「家族との団欒」「好きな食べ物やお酒が飲めること」「家事などの日常役割機能を果たすこと」、「夫婦で静かな時間を過ごす」などであり、仕事で現役の人や若い人は、「仕事」や「友人とのおつきあい」など社会との繋がりを求める傾向もあった。また長生きをしたいという欲求はどのステージの人にも共通することが示された。「きちんとした告知」「死への恐怖を取り除くようなメンタルケア」「痛みを取ってくれること・余命が短い場合QOLが下がるような治療は勧めないで欲しい」ことが医師に求められた。ホスピス医により、これらは身体的、精神的、社会的、霊的痛みに関わることが示唆された。この結果に基づき、健常成人15名を対象にAHPを用いて予備調査を行い、"できるだけ長生きしたい"、"できるだけ苦しみたくない"、"なるべく家族と過ごしたい・仕事を続けたい"、"費用が少ない方が良い"、"意識がはっきりしている方が良い"、の5つのクライテリアの重要度を半定量的に順位付けしたところ、もっとも重視されたものは"苦しみたくない"(0.29)であり、ついで"家族と過ごす・仕事"(0.24)、"意識清明"(0.22)であった。"長生き"と"費用"は、もっとも重視されなかった。(いずれも0.12)。この予備調査に基づき、進行期であってもperformance statusがよい時期と、終末期の二つのシナリオを作成し、前者ではクライテリアとして"少しでも長生きしたい"、"できるだけ苦しみたくない"、"できるだけ長く家族と暮らしたい"、"可能な限り仕事をしたい"、"できるだけ治療費を少なくしたい"、後者では"仕事"の代わりに"できるだけ意識がはっきりしている方がよい"を用い、癌年齢である40歳〜79歳の一般市民300人を対象に、現在アンケート調査中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福井次矢, 浅井篤, 大西基喜編集: "臨床倫理学入門:第5章 エシックス・ケース・カンフェレンス"医学書院. 301(261-283) (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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