研究概要 |
本研究は,糖尿病病態モデル動物において疾患に深く関連する遺伝子の発現と薬物の感受性の関係を解明し,病態時における遺伝子発現パターンに基づいて適切な薬物を選択し,投与量を予測しうる処方設計システムを構築することを目的とする.平成15年度は,2型糖尿病モデルの,OthukaLong-Evans Tokushima Fatty (OLETF)ラットにおいて発病前後の白血球を用いて,候補遺伝子の解析を行った.その結果,カルパイン10が発症前に遺伝子発現が低下していることが明らかとなった.また,この遺伝子発現は,白血球のみならず,肝臓,筋肉,脂肪などの主要な標的組織においても同様の傾向が見られた.カルパイン10の抗体を作成し,蛋白レベルでも同様の現象が見られるか否かを検討したところ,有意ではないものの,同様の傾向が見られた.今後は,網羅的解析へと発展させ,より多数の候補遺伝子群を同定することにより,発症予測の精度を向上させたい.
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