研究概要 |
療養環境における空気の質を評価する方法について,二酸化炭素濃度を中心に一酸化炭素濃度も含めた精密連続測定によって行うシステムの構築を行った。これを用いて,病室における評価の準備として,より純化されたモデル環境で基礎データを取り,本システムでの空気の質の評価の妥当性,測定精度と再現性,本システムによる療養環境への影響,システムの運用方法などの点検・検討を行った。精度については,簡便な方法として利用されてきたガス検知管方式との比較で,さらに詳しい点検を要する事項があり,現在精度確認の作業を行っている。また,来年度には,病室での観測を開始する予定のため,本システム自体が療養環境に悪影響を及ぼさないよう精査を行っており,仮想環境における現段階の評価では,問題は生じていないが,本格運用に向けて,より詳細な問題点の洗い出しを続けている。 同時に,来年度に予定している,療養環境における空気の質に関する看護者の意識調査を行うためのアンケート項目,その他の調査方法の検討を行った。空気の質の測定と連動した看護者の行動調査も含めて,その実施方法の検討が行われている。 本研究の背景にある,ナイチンゲールの思想と実践を検証するため,産業革命期のイギリス,彼女と親交のあった科学者など,その時代背景を含めて調査し,本システムによる研究の紹介も加えて,ナイチンゲール研究学会第23回懇談会(2002年10月6日,国際文化会館)において「『看護覚え書』の科学的再検証-療養環境における空気の質-」(中田りつ子,矢部正之,柳澤節子)の発表を行った。
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