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2003 年度 実績報告書

病気におけるすこやかな生への「はずみ」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14657637
研究機関信州大学

研究代表者

鈴木 泰子  信州大学, 医学部, 助手 (60283777)

キーワード患児 / すこやかさ / 自己コントロール感 / 思春期
研究概要

今年度は昨年度に引き続き、病気の子どもたちにおいて病気の体験がすこやかさの中でどのように「はずみ」となる経験として意味づけられるのかということに関しての病気の子どもたちと家族の社会的心理的プロセスを明確化する目的でのフィールドワークを進めた。継続的に関わった対象は慢性疾患患児(血液疾患、劇症肝炎、先天性胆道閉鎖症、神経性食指不振症)6名で、彼らの年齢は7歳〜20歳であった。データ収集は定期検査のための外来受診時、家庭訪問時、患者会での活動時などに承諾を得ながら行った。ある程度分析が進んだ時点からは対象に対して分析内容の確認を行いながらデータ収集と分析を平行して実施した。現在までの分析結果としては、「病気の子どもが病気の体験を通して自己コントロール感を持てること」がテーマとしてあげられる。思春期前後以降に発病した患児は、自分の病気が原因不明であることに不条理ややりきれなさ、憤り、や深い悲しみを感じ、不安や恐怖と対峙してもがんばったからといって自分の力でどうにかなるものではないではないか、と考え、頭の中は堂々巡りをしてしまうため「ぼやく」という行動が現れる。患児は自らの自己コントロール感の継続や強化につながるものとしては<発病前のクラスの友達のことば><家族との結びつき><なんとかなるだろう、たぶんもう大丈夫だろうという身体感覚><がんばったらよいことが起こるという信念><今が正念場であるという認識>などであった。また自己コントロール感の混乱や減退につながるものとしては<友人との間に実感される差><あたる対象がないこと><周りの人に病人だと思われること>などがみられていた。周囲に対しては<普通に気に懸けてほしい><びびったり、へこんだりしているときに妙に強がってしまうのを受け止めてほしい>と望んでいた。今後はさらにデータ収集をしつつ分析も随時患児に内容を確認しながら進めていく。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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