• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

病気におけるすこやかな生への「はずみ」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14657637
研究機関信州大学

研究代表者

鈴木 泰子  信州大学, 医学部保健学科, 助手 (60283777)

キーワード子ども / 病気との対峙 / 病気への感謝 / 安定感 / 生きる意欲 / 身体感覚 / 生きる意味 / あるがままであること
研究概要

【研究目的】病気におけるすこやかな生への「はずみ」が、病気とともに成長する子どもにとってどういう経験であるのかを明らかにする目的でフィールドワークを継続し分析をすすめる.【研究対象】13歳〜22歳の慢性疾患患者5名で、発症後5年以上経過した者で、本研究への参加の同意の得られた者.【データ収集方法】(1)対象が参加するボランティア活動における参加観察(2)グループおよび個別のインタビュー.【分析】小児看護分野・小児がん臨床分野の研究者・実践家、質的研究を継続して実践している研究者らによるスーパーバイズを受けながら、データを質的帰納的に分析した.【結果及び考察】病気との対峙を通して子どもは、(1)発病前の自分へのわだかまりを何度もいったりきたりしながら捨て、いやなことがあってもとがめだてせずにあるがままを受け入れるようになる、(2)健康であったときより高次のすこやかさ(安定感や身体感覚)を獲得する、(3)自分の成長とともに病気への感謝を実感するようになった.これらはボディイメージの耐え難さや受け入れ難さと深く関わりながら、周囲の者への反発、自らや周囲への語り、他者との相互関係によって熟成され、上昇停止体験や未来への諦めとは異なる現在と未来を精一杯生きる意思や生きる意味の獲得へとつながりゆくものと考えた.この病気と対峙する過程で、発達段階に適切な多面的、継続的なサポートが必要とされ、自らや他者のいのちをみつめ、相互に関わりあうことで、子どもは強くしなやかなすこやかさ(安心や安定)を獲得し、病気がすこやかな生への「はずみ」を強める要因となり得るとみなされた。【今後の課題】本研究は発症時の記憶がはっきりした少数の限られた発達段階を対象としたものであることが研究の限界であり、今後は対象数を増やし、隣接する発達段階による比較検討も必要とされる.周囲への反抗や攻撃を実感できず表現もできない子どもへの着目の重要性も示唆された.

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi