研究概要 |
足浴時のMRIによる下腿部深部体温測定のための実験条件を設定する目的で足浴方法・皮膚温度測定方法の検討,並びにヒト下腿部骨格筋におけるMRIによる深部体温測定を行った。 【下腿部皮膚温の測定と足浴方法の検討】 下腿部各部で安静時の皮膚温を測定し,その後足浴を実施して,安静時皮膚温と足浴時の皮膚温上昇との関連を検討した。測定には足背部,下腿等が単独で用いられてきたため,同時測定による温度変化を測定している。また,先行研究の追試を行い,結果の検討を行った。これまでは足浴開始後10分で足背部の皮膚温度が最高温を示すとされており,これをもとに足浴時間は10分とされているが,この結果について温度上昇に湯温が影響していると考えられた。 【深部体温の測定】 ヒト下腿部骨格筋における深部体温を測定した。室温環境下では,周辺部の腓腹筋付近と中心部のヒラメ筋付近では,それぞれ33.6±0.4と35.3±0.4℃(meam±SE)であり,有意に温度差があることが分かった。 腓腹部表面の温度を40℃から10℃にすると,腓腹筋付近では35.8±0.4℃から26.2±1.2℃に有意な温度低下が認められたが,ヒラメ筋付近では有意な変化は認められなかった。
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