本研究は、第2子以降の誕生に際して上の子どもを家族立ち会い出産に参加させた母親の体験と、同胞の誕生場面に参加するという体験をした子どもへの影響を明らかにすることを目的とした縦断的継続研究の一部である。今回、萌芽研究として補助を受けた研究期間内に、上の子どもを同胞誕生場面に参加させた群と、参加させなかった群の母親を対象として、妊娠末期から産後6ヵ月までの縦断的質問紙調査により、誕生場面に参加した上の子どもの同胞誕生前後の行動特徴を明らかにしたいと考えた。 本研究着手後の経過として、妊娠末期・産後3日目・産後1ヵ月・産後6ヵ月の質問紙原案を作成し、2ヵ月にわたり両協力施設において10名のプレテストを行い、内容、表現、記載量(所要時間)等の妥当性を検討し、次いでパイロットスタディを行った後、本調査を開始した。 H14年4月から3年間に、同胞の誕生場面に上の子どもを参加させた経産婦100名と、対照群として、子どもを誕生場面に参加させなかった経産婦100名の合計200名のデータ収集を計画しているが、14年度内に、誕生場面に上の子どもを参加させた経産婦61名と、参加させなかった経産帰21名の合計82名のデータを収集した。 現在、データ収集と平行してデータ内の不明確箇所を電話により本人に確認した後、SPSSへの入力を行っている。尚、上の子どもを出産に参加させなかった経産婦のデータ数が少ないことから、協力施設の拡大を検討中である。 また、本調査研究は『上の子どもを家族立ち会い出産に参加させた母親の体験』に関する帰納的、記述的研究から得た知見を、演繹的に検証する縦断的継続研究である。従って、重要な関連研究として帰納的研究を縦断的に継続している。
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