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2004 年度 実績報告書

糖尿病とともに生きる女性患者のセルフケア行動についての意思決定と実行に関する要因

研究課題

研究課題/領域番号 14657659
研究機関神戸市看護大学

研究代表者

池田 清子 (川越 清子)  神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (60224755)

研究分担者 荒川 靖子  神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (50167996)
神徳 和子  神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (80347541)
鷲田 真帆  神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (50364055)
キーワード糖尿病 / セルフケア行動 / ジェンダー
研究概要

糖尿病とともに生きる女性患者のセルフケア行動についての意思決定と実行に関する要因を明らかにするために、K市内A病院の糖尿病外来に通院している(1)糖尿病罹患歴が5年以上、(2)HbA1cが7.9以下の血糖コントロールが良好な患者約50名(男性29名、女性21名)を対象に、半構成的面接調査を行い男女の比較を行った。データ収集期間は、2003年12月〜2004年6月である。
セルフケア行動の意思決定では、男女ともに医療者から得た知識だけでなく体験から得た独自の知識も意思決定の基盤となっていること、さらに糖尿病だけでなくより健康になりたい(老化を抑える、痩せるなど)という積極的な動機からも意思決定が行われていることが窺がえた。また、カロリーや血糖値などの知識を全く活用せずに血糖コントロールを良好に維持していた2名はいずれも女性であり、両名ともに生きる関心は糖尿病の療養に向けられているのではなく、1名は信頼する○○先生の教えに従った生き方であり、もう1名は視力障害とともに生きる世界に意味を見出すことであった。これらの関心の向け方は、今後女性の意思決定を支援するための一つの手がかりになると考えられる。
セルフケア行動の手がかりでは、男女とも血糖値が約50%と最も多く、次に体重、ヘモグロビン値続き、男性では空腹感や冷汗などの低血糖症状が24%(女性では1名)に見られたほか、体臭・口臭、傷の治りにくさ、目のかすみ、だるさなどがそれぞれ1名ずつ見られ、女性に比べ多様な自覚症状を感じていた。自覚症状に乏しい2型糖尿病をもつ人にとって、血糖値と同時に体重は血糖値と相関している指標として重要な手がかりとなっており、女性では「健康なダイエット」の指標としても用いられていた。セルフケア行動実行への促進因子ではジェンダー差がみられた。男性では"セルフケア行動の動機づけ"が、女性では"娘・息子からのサポート""医師との関係"が優勢であった。これらの結果から、セルフケア行動において男性は他者から自立し自己コントロール(自己中心)することに価値を置くのに対し、女性は他者との関係性に価値を置きそこからのサポートを有効に活用しているからではないかと考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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