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2003 年度 実績報告書

脳死臓器移植における積極的な患者・家族支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14657662
研究機関北里大学

研究代表者

平尾 百合子  北里大学, 看護学部, 講師 (50300421)

キーワード脳死臓器移植 / 患者・家族支援 / 看護師役割
研究概要

本研究は、脳死臓器移植における患者・家族支援に関する看護の重要性に鑑み、移植医療における看護師の役割を明らかにし、ドナーとレシピエント、その家族が抱える精神的・社会的問題に対する看護師の役割を明らかにすることを目的としている。
平成15年度は、UCLAメディカルセンターを中心に、米国ロサンジェルスにおける移植医療の現状調査を実施するとともに、日本の現状を移植コーディネーターへの面接調査から分析を行った。
米国の脳死臓器移植では、待機患者の増加や日本など外国からの移植希望患者の増加によって、臓器不足が生じてきていた。また、米国においてICU入室患者や家族に精神症状が出現した際は、専門家に依頼するため精神的援助に看護師が直接介入することは少ないと、多くの看護師が認識していることが明らかとなった。精神症状を発症させないための看護介入に関するガイドラインは、米国には存在せず、その作成の必要性が明らかとなった。その一方、ハワイ在住の臓器移植患者の家族からの手紙には、夫がUCLAメディカルセンター入院中に家族も看護ケアに参加できるよう看護師達が配慮くれたことが、家族としてはとても嬉しかったと書かれており、ガイドラインがなくても看護ケアを通して患者・家族に対する精神援助が実施されていたことが分かった。
日本の移植コーデイネーターに行った面接調査の結果からは、脳死臓器移植数が非常に少ないため、米国のような問題点の発生まで至っておらず、むしろ臓器提供数の確保が重要な問題としてあげられた。臓器移植における患者ケアにおいても事例数が少ないため、待機患者に対する身体的・精神的援助が重要であり、今後、発生するであろう移植後の諸問題(特に感染予防や拒絶反応、ストレスなど)を海外の事例より検討し、事前に対応策を作成しておくことの重要性が認められた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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