CCD画像を用いた酸素摂取量測定装置の開発

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14658007
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 西保 岳 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (90237751)
• 研究分担者: 鍋倉 賢治 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (60237584)
• キーワード: CCD / エコードップラー / 近赤外 / 血流

研究概要

シスメックス株式会社(神戸)において、肘正中静脈に近赤外線をあてその反射像をCCDカメラで撮影する装置のプロトタイプを開発中であるが、肘部分の装置より先に、手首固定型装置をまず製作している。ほぼ完成しているが、手首での固定法に関して、手首のサイズ、形状、静脈の位置の個人差が大きいため、現在試行錯誤中である。完成次第、その装置を使って、筑波大学体育科学系において、安静時の静脈画像を撮影し分析し、静脈経変化の妥当性をエコードップラー装置を使って検討する予定である。
平行して、筑波大学体育科学系においては、エコードップラー装置での、静脈経測定と血流量測定に関して、オリジナルのコンピューター解析システムを開発している。血管経とそこに流れる血流速度を同時にモニターしながら、ノートパソコン上での解析をめざしている。自動・連続測定を可能とするために、疑似血液をビニールチューブに一定量流して、その流速を正確に測定できるかどうかを確かめながらプログラムを改良している。また、音声合成シンセサイザーを用いて様々な超音波を発生させ、その信号を的確に分析できるかということに関しても、現在検討中である。血管経の測定に関しては、画像解析ソフトの開発とともに、高速高解像度動画収集のハードウエアの選定中である。現在、血流速度のみの測定に関しては、長時間リアルタイムでの測定がほぼ可能となった。現時点で、このような長時間・自動・連続測定のできるシステムを生理学実験に用いた報告は、世界的にも見られないことから、これを用いての運動生理学実験を開始し、データを収集中であり、興味ある知見も見いだされつつある。

研究成果

• [文献書誌] Takase K., Nishiyasu T., Asano K.: "Modulating Effects of the Menstrual Cycle on Cardiorespiratory Responses to Exercise under Acute Hypobaric Hypoxia"Jpn. J. Physiol.. 52(6). 553-560 (2002)
• [文献書誌] Ichinose, M., Nishiyasu T., et al.: "Modulation of arterial baroreflex dynamic response during muscle metaboreflex activation in humans"J. Physiol.. 544(3). 939-948 (2002)
• [文献書誌] Kondo N., Nishiyasu T., et al.: "Sweating responses to a sustained static exercise is dependent on thermal load in humans"Acta Physiol Scand. 175. 289-295 (2002)
• [文献書誌] Yanagimoto S., Nishiyasu T., et al.: "Sweating response in physically trained men to sustained handgrip exercise in mildly hyperthermic condition"Acta Physiol Scand. 174. 31-39 (2002)
• [文献書誌] Kondo N., Yanagimoto S., et al.: "Effects of muscle metaboreceptor stimulation on cutaneous blood flow from glabrous and non-glabrous skin in mildly heated humans"J. Appl. Physiol.. (in press). (2003)
• [文献書誌] 西保 缶: "トレーニング生理学(芳賀脩光・大野秀樹編)循環系とトレーニング"杏林書院. 3 (2003)