平成14年度は、2次元画像による時空間認知スキル実験のうち、時間認知の部分についての実験を行った。 1.仮想現実感(VR : Virtual Realtyシステムの構築 22インチの大画面ディスプレイとコンピュータシステムを構築し、このシステムにおける時間認知スキル評価のタスクを検討した。このタスクを検討するにあたり、現実空間においていくつかの予備実験を実施し、その結果から本実験用タスクを決定した。 2.本実験用VR画(VRプログラムのと実験タスク 本実験用のタスクは、Open GLにより作成した。時間的認知スキルを評価するために次のようなタスクで実験を行った。VR環境内の実験室で、2.5m離れた所で、卓球ボールが打上げられ自由落下する。ボールの直前には、板(高さ110cm)を設置し、その後ろをボールが落下するため板に隠れたボールの落下運動は見えなくなる。板に隠れた後、板全体が変色した時(タイミングは実験者が変えることができる)のボールの位置を被験者に回答させた。 3.VR画像によるタスクの妥当性の検証 現実環境において卓球ボールを打上げ、板の後ろに隠れた後、板が変色する実験装置を作成し、VR画像と同様の実験タスクを実施した。VRにおける実験が現実環境の実験と同様の傾向が得られたことにより、VRによる実験の妥当性が確かめられた。したがって今後のVRによる実験によって現実環境実験の代用が可能であると考えられる。 4.実験データの解析 時間認知に関する実験データの解析は、現在、細部を検証するための実験を行っており、その実験データと合わせて解析し、結果をまとめることになっている。
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