研究課題/領域番号 |
14658016
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
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研究分担者 |
庄野 菜穂子 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60223674)
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
清永 明 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70177955)
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キーワード | シリンジバイオプシー / RNA / cDNA / 骨格筋 |
研究概要 |
目的:ヒト外側広筋のシリンジバイオプシーサンプルを用いたInsulin growth factor 1(IGF-1)とβアクチンの遺伝子発現の定量法を開発する。 方法:成人男性3名を対象にして、外側広筋のシリンジバイオプシーを以下の手順で実施した。 ゴールドスピンクらとコンタクトをとり、彼らの方法を参考にした。 1. 19ゲージの注射針を外側広筋中央部に挿入する。 2. 筋に注射針を挿入したまま、20mlのシリンジを用いて、筋組織を強く吸引する。 3. 強い陰圧をかけながら注射針を3回程度上下左右にゆっくり動かす。 ・RNA抽出(微量サンプルからの抽出法) ごく微量の筋サンプルからの総RNA抽出、cDNA作成プロトコール(豚の骨格筋組織、ニードルとシリンジバイオプシーにより採取したヒト骨格筋組織を用いた予備実験と検討を重ねて、WAKOのRNA抽出試薬(Isogen)、インビトロジェンのSuper script II等を用いた独自のプロトコールを作成)を用いて、ヒト外側広筋のシリンジバイオプシーサンプルから総RNAを抽出しcDNAを作成した。 ・PCR 作成したcDNAにHuman IGF-1とHuman βアクチンのセンス及びアンチセンスプライマー、DNA Polymeraseを加え、95度2分間、95度1分間、58度(アニーリング)1分間、72度(伸長反応)1分間を30回繰り返す、PCRを行った。2%アガロース電気泳動を行いエチジウムブロマイドで染色した。 結果・考察・まとめ 従来のRNA抽出法では(RNA抽出試薬RNA STAT 60^<tm>を使用)シリンジバイオプシーサンプルから0.4〜1.4μgの総RNAしか抽出出来なかったが、独自のRNA抽出プロトコールを用いた結果、コンスタントに約2μg(スタンダード法の2倍)の総RNAが抽出出来るようになった(3回の連続サンプリングの結果は、1.91、2.69、3.69μであった。)。しかしPCR反応液をアガロースゲルに電気泳動した結果、IGF-1とβアクチンのバンドが観察されなかった。抽出した総RNA量は、PCR反応に十分な量であると考えられるので、cDNAの作成やPCR反応の実験プロトコールを改良するための検討(具体的には試薬の変更・追加、PCRの温度、サイクル数)が必要であろうと考えられる。
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