研究概要 |
本研究では,氷河関連堆積物と地すべり・崩壊・土石流による堆積物の類似点・相違点について,実験的手法を取り入れながら体系的に比較検討し,明らかにすることを目的としている.このような目的に即して,本年度は以下のような調査・研究のための取組みを行った. 1)奈良-大阪府の県境付近に位置する,亀ノ瀬地すべり地から採取された試料について,そのESR・TL・OSL信号の特性把握を行うために,測定試料作成のための前処理をおこなった. 2)北アルプス白馬岳東麓において氷河関連堆積物の調査観察とin situサンプリングを行い,採取試料の樹脂固定の方法等,薄片を作成する手順について検討し,薄片を作成した.現在,その顕微鏡観察を進めている. 3)上記の2を踏まえながら,研究協力者から入手したネパールヒマラヤ地域の氷河関連堆積物のin situサンプルについても,樹脂固定などの試料処理を進め,薄片作成のための下準備を行った. 4)地すべり・崩壊・土石流堆積物や風化花崗岩由来のマサなどから抽出した石英,人工合成された石英などを用い、磨耗実験を行い,ESR・TL・OSL信号の特性変化について,予察的に検討した.
|