1.足立区中央本町保健総合センターとの緊密な連携のもと、当初より多数の研究協力者を得、研究は順調に開始された。 2.当初予定されていた研究項目中、就床時刻、起床時刻と唾液中メラトニン、及び尿中6-hydroxymelatonin sulphate(メラトニン代謝物)濃度との関連については、就床時刻が遅延し、起床時刻が遅延するほど唾液中メラトニン、ならびに尿中6-hydroxymelatonin sulphate濃度が低下する傾向のあることを見出した。両所見のうち、朝の光そのものがメラトニン分泌を抑制するので、起床時刻の遅延とメラトニンとその代謝物の濃度低下は生理学的にも生じると考えた。しかし就床時刻の遅延とメラトニンとその代謝物の濃度低下は有意な所見と考えた。 3.アクチウオッチによる行動量を自己相関で解析、オートコレログラムを検討したところ、生後3ヶ月からほぼ24時間の概日リズムを検出できた。またオートコレログラムの振幅が加齢とともに増大する傾向のあることを見出した。後者に関しては、リズムの安定性の反映とする仮説もあるが、今後とも例数を増して検討してゆく。 4.現在1-2歳児13名で、行動量、受光量、と尿中メラトニン、セロトニン・コルチゾール代謝物(6-hydroxymelatonin sulphate、5HIAA、170HCS)との検討が行われている。 5.本研究過程で新たに認識された事項として、(1)子育て支援サービス提供者の知識の不均一性と(2)教育の実効性の観点からみた、養育者参加型の研究調査の重要性がある。(1)については子育て支援サービス提供者に対する生涯教育システムの拡充が望まれる。
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