研究概要 |
ヒトの健康を阻害あるいは亢進する因子の複合的な影響を解明するため、運動・ストレス・栄養代謝等を複合的に統合した健康評価法を確立することを目的とする. これまでエネルギー代謝、血糖・血圧調節など食品がもつ生体調節機能の科学実証、メカニズムの解明を非観血・非侵襲によるヒト実験系で行ってきたが今年度は呼吸循環器系のパラメータとして心拍出量が有効か検討を進めた。 1.方法------用いた拍出量計(Biotex製)はインピーダンス法を原理とした非侵襲なものであり,本来心疾患患者を対象としたものであるため,ストレスや栄養代謝,運動による微妙な心拍出量の変化を補足できるかどうか,トウガラシ(0.2g)をメルクマールとし,安静,運動時における変化をモニターし,呼吸循環器系に影響を与える呼吸数,酸素消費量,心拍も同時に測定を行った. 2.被験者------21-22才の健康な男子5名を被験者し,トウガラシ摂取と摂取なしのコントロールについて,安静時2時間,および運動時(安静30分,エルゴメーター120W運動30分,回復30分)の測定を行った. 3.結果-----安静時には様々な試行錯誤の結果,比較的安定した測定値が得られ,トウガラシ摂取時には1回拍出量はコントロールより有意に低下し,呼吸商,酸素消費量の上昇などの変化を補足することが確認できた,心拍出量の変化を非侵襲法であるインピーダンス式心拍出量計で測定可能であり,また食品の影響なども十分捕足できる事を確認した,しかしながら,'運動時での結果はインピーダンスと心拍のうまく同期した状態では測定できず,運動時,今回は自転車こぎの運動からおこる体動が原因と考えられ,運動時に特に変化が大きいと推察できる心拍出量の測定には運動法や測定方法についてさらに検討が必要であることことが明らかとなった.
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