本研究は、理科授業を行う際に教師が必要としている指導技術について、短く編集したビデオ映像とその授業の指導案を検索し視聴できるCD-ROMの開発を行い、教師の理科授業を支援していくことを目的としている。本年度は、次の3点について行った。 (1)昨年度収録した小学校ビデオ内容のカテゴリー化と検索のための書式設定 小学校の教師のアンケート結果を参考に、昨年度収録し編集したビデオについて、ホームページ形式で検索できるようにカテゴリー化した。一つは、抽出した授業場面をその単元の展開に合わせて検索できるもの。一つは、問題解決の場面ごとにいろいろな単元のビデオを検索できるもの。一つは、教師が指導を難しく思うことや、教師がうまく工夫している学習場面などをトピックスから検索できるものである。 (2)中学校教師の指導場面の意識についての調査 教師が必要としている指導場面を明らかにするため、理科授業において指導を難しく感じる場面について、昨年度小学校教師に実施した質問紙調査を、中学校理科教師を対象に実施した。その結果、実験方法の考案、発言や意見交換の活性化、考えの発表などについて、指導を難しいと感じていた。また、教師の指導についての意識を、生徒の活動に対する指導、教師の解説、生徒の思考や表現およびそれに対する対応といった大きく3つのカテゴリーに分類することができた。 (3)理科授業の収録 小学校の理科授業について、昨年度に引き続き、3つの授業について、追加収録を行った。また、中学校の理科の授業について、4つの授業を収録し、その授業についての指導案を入手した。これらの授業について、優れていると考えられる指導技術の場面を抽出し、コンピュータにより編集を行った。
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